サルでもわかる!
令和のコメ騒動2025年6月7日版 10月28日答え合わせ付き
ニュースを見るとコメ問題ばかり。主食の値段が倍になるというのは尋常ではないわけで、
日本がもっと貧しい国だったら暴動が起きてもおかしくないところです。
海外には安いコメがあるのに・・・・・。5キロで1705円の関税を払わないと輸入もできません。
消えた21万トンなんて不思議な話もありますが、
それよりも、消えた30万トン(3月から4月にかけて放出された備蓄米)の方が不思議です。
一体何が起きた&起きているのでしょうか。
以下、令和のコメ騒動について真面目に考察してみました。
根拠を明確にするためにリンクを張りましたが、いつまであるのかはわかりません。
興味ある方は早めにリンク先の記述を確認しておいてください。
大前提※ひと月当たりのコメの消費は60万トン※
正確には毎年、毎月違うのですが、キリの良い数字として覚えておいてください。
これを覚えておくと以後の理解にもの凄く役立ちます。
ニュースを見るときにも、何トンというニュースが何か月分あたるのかがわかるのです。
なお、以下に出てくるコメの量についての数字はすべて玄米です。
1)強い減反があったのは2022年のコメ
2021年には701万トン生産されたコメですが、2022年産のコメは670万トン。作況指数は101。
作柄が悪いわけではありません。
2022年産水稲の作付面積は135万5,000haで、前年産に比べ4万8,000ha減少しているので、生産量が減ったのです。
国としての減反は行われていません。作付面積の調整は○○がやっています。コメ騒動の無い平和な年でした。
2)収穫減があったのは2023年のコメ
23年産コメは猛暑でくず米が増えたと言われていますが、作況指数はまたもや101で平年並み。
作況指数がおかしいという指摘もありますが、これを否定すると収穫量などコメについての全統計数値が否定されることをお忘れなく
そして、作況指数は101なのに収穫は9万トン減っています。これは水田が前年産に比べ9,000ha減少しているためです。
もちろん、この年も国としての減反は行われていません。
3)2023年の9月には新米の先食いがあった
米の不足感があったためか、新米需要が例年より旺盛でした。
この資料で見てほしいのは2022年と2023年の価格差。②と⑤を比較してください。
高いコメはあまり価格が上がっていませんが、安いコメはどっと上がっています。
安いコメへの強い指向が伺えます。値上げして単価が下がる時は値段を上げてはいけないのですが・・・飲食業の鉄則です
また、この資料を見ると、2022年(令和4年)、2023年(令和5年)のコメの値段が上がっていることがわかります。
それだけではなく、2023年(令和5年)はコメの需要が増えていることも・・・・。令和のコメ騒動が近づいてきました。
4)2024年の4月ごろから民間在庫が少ないことがわかっていた。
2022年4月238万トン(2021年産) 2023年4月219万トン(2022年産) 2024年4月180万トン(2023年産)
さて、これ、何の数字かわかりますか?
農水省資料から読み解ける、コメの民間在庫量なんです。
作付けを減らしたので、2023年は19万トン、在庫が減っています。
この19万トンは需要の先食いという形で2023年産米の在庫を減らしました。
つまり、2023年は19万+9万トン(作付け調整分)=28万トン もともと不足する形になっていたのです。
そして、2023年はコメの需要増。これが2021年比較で3万トン、2022年比較で14万トン。どちらを基準にするかは難しいので平均を取ると8万5千トン。
28万トン+8万5千トン=36万5千トン。
民間在庫の減少量 39万トンとほぼ数字が合っています。
さすが農水省。正確な統計です。笑えないけど。令和のコメ騒動の始まり、
各業者さんはこの頃在庫が異常に少ないことに気が付いた筈です。
5)2024年8月、令和の米騒動が目に見える形に!
8月の米騒動は8月中旬からひどくなりました。新米の時期のほぼ1か月前からです。
米の流通在庫が減っているうえに、南海トラフ地震関連の“備蓄の勧め”による買いだめもありました。
農水省は「新米が出回れば大丈夫」としましたが、実は端境期に39万トン足りなかったのです。
これは約20日分の需要と同じ。実際、コメが姿を消した期間はこのぐらいです。
6)2024年9月から11月にかけて・・・令和の米騒動の広がり
さて、新米が出回りましたが、農水省の思惑通りに値段は下がりません。
流通側はコメが足りないことを知っていますから、安値で売る気は無い訳です。
最初は恐る恐る・・・、途中からどんどん値を釣り上げていきます。
儲かる!ということで異業種も参入。
肌感覚では5キロ4000円(税込み)ぐらいまで減段が上がりました。
7)消えた21万トン。当初、政府は認めない!
さて、さすがにまずいということで、政府は流通を調べ始めました。
この結果が有名な、消えた21万トンです。
当初、その米は流通にあると政府は説明していましたが、出てきません。
2024年の収穫量は需要より10万トン多いのだから問題無いとも答弁しています。
でも実際は端境期に39万トン足りなかったのです。10万トン増えても差し引き29万トンの在庫不足です。
嘘のようですが、コメ不足の20日間に国民が2割程度(8万トン)コメを食べる量を減らしたと考えると、21万トンの在庫不足。
これで消えたコメの量と、計算がぴったりと合いますオイオイ!
2025年3月ごろは、肌感覚で5キロ4500円(税込み)。本来はこの時期に値が上がるのはちょっと変です。
恐る恐る、半年かけてコメの値段を上げていった…そんな感じです。
8)備蓄米の放出量について
そこで米価を下げるべく行われた最初の3月の備蓄米の放出は21万トン。効果が出ないので4月に10万トン。
当初の量は消えたお米の量そのものです。農水省は実情を知っていたとしか思えません。
次の量はおそらく次の端境期(2025年9月)に不足するであろう、
半月分(30万トン)を見据えたものではないかと思われます。21+10≒30です。
備蓄米の放出は、令和の米騒動で最初に打たれた対策でした。遅いよ!
9)備蓄米の放出を受けた流通の最善手
では、流通はどうすれば良いか。安く売る!?、それは最悪手になります。仕入れは4割上がっているし手元に在庫はあるのですから
簡単です。買っておいて流通させなければ良いのです。店頭での不足は続きますから、値段は下がりません。
この時のコメは買戻しの特約付きですから在庫のままであっても問題ありません。
一昨日(2025年6月5日)にテレビに出演した、某流通大手の方が、「輸送・精米が大変」「倉庫が東北にあって・・」と言い訳をしていました。
普段の販売量が年間280万トンあるのにね。ちなみに消費者に2割しか渡っていないことについては外食産業に売ったと話しています。
たしかにこうすれば、契約で一定数出さなければいけない外食産業には恩が売れて、店頭価格の暴落も防げます
10)備蓄米の大放出について
農水大臣が変わり、随意契約で備蓄米が販売されるようになってからは、事情が変わります。
随意契約の30万トンは半月分。出回らなかった半月分をもう一度出してきました。令和の米騒動が新しいフェーズに入った瞬間です。
これだけ出すと流通側が半月分の不良在庫を抱えることになります。
コメは保存がきく食品ですが、9月を境に価値が下がります。
今日、2025年6月7日の時点では銘柄米がドサッとスーパーに並び、品薄感はゼロ。少々変化が!。でも価格は高止まりです。
11)これからどうなる?
今、農水大臣対某流通 という構図になっています。
大臣側も昔の恨みがありますから、本気でしょう。父ちゃんの血筋もあるし(笑)。
はっきりしていることは、コメは月に60万トンしか消費されないということです。
大臣側にはまだカードがあります。緊急輸入、そして関税の引き下げ。
トランプ大統領という影の味方までいます。
そして農林中金「1兆5000億円の巨大赤字」報道も。
もしもまともな債券を買っていれば、単なる評価損の問題なのでなんとかなりますが、
仕組債に手を出していたら大変!。ちなみにどちらなのかは公表されていません。
全部を図にまとめるとこんな感じでしょうか。もちろん筆者(高木誠利)推定です。
令和の米騒動2025年(令和7年)10月28日の答え合わせ
9月頭の端境期を経て、令和7年度産米が当たり前になりました。
この間に起こったことをまとめておきます。価格はすべて税抜きです。
・9月上旬から新米が出回りました。令和6年度産のコメの品切れは生じず。
・備蓄米の市販が遅れ、放出した全量は出回らず。
・9月末ぐらいから、令和7年度産(新米)と6年度産(古米)の価格に変な動きが・・・。
☆大手(ヨーカドーやイオン)では、新米5000円、古米4700円ぐらい
☆地場スーパーでは、新米4000円、古米4500円の逆転現象が起きた
9月末に私が見た最安値は、茨城県産あきたこまちが3780円 証拠写真あるけど無許可撮影なので掲載は御勘弁を
・10月に入ると、6年度産米が消えた(例年よりちょっと遅い?)
☆大手では、生産年不明米が3480円。消えた備蓄米はここ?。数量少なくいつも品切れ。
☆大手では、新米が5000円でズラッと並んでいる。これは全然売れない。
10月末には地場スーパーでは新米3480円が出現。私も購入。 これも証拠写真あるけど無許可撮影なので掲載は御勘弁を
放出した30万トンのおかげで、令和6年度産米がそれだけ余り、
令和7年度産のコメを高値掴みをしてしまったところは価格維持に走って、売れないコメを抱え
状況に気が付いたフットワークの軽い流通さんは安値で確実に売る方向に向かっている。という感じです。
端境期でもないのにコメが店頭から消えた2025年の1月~3月は一体何だったのでしょう
偶然の共同作業だったかもしれませんが、変な話です。農水省の統計でも、出荷量が奇妙なぐらい減っています。
そして価格が更に上がった3月下旬以後は出荷量が激増。ほぼほぼ過去最高!。何があったかは見え見えですね。
ちなみにこの時期に最初の備蓄米放出がありましたがそれは全く流通しませんでした。
農家の皆さんだって、こういうことがあると迷惑でしょう。消費が安定しない。
令和6年度産米での農家の手取りは4割~5割増し、でもコメの売値は2倍以上!。
・新しい農水大臣は価格は市場に任せる(介入しない)と言明
これについては私(高木)はノーコメントで(笑)。
高市総理誕生で一番助かったのは石破元総理と小泉元農相
え!?って、思う方が多いと思いますが、これは間違いありません。
備蓄米放出の時に約束した米作支援を反故にできたのですから。
「コメが足りない」を大前提にした米作支援、それ自体はとても良い話なのですが、コメ自体は足りています。
本来は流通の透明化をするべきだったのが、それは言えなかったのでしょうけどね。
最後に一言。小売りレベルの一番安いコメの値段を下げる方法は簡単です。関税を下げればよい
コメ5kgの関税は1705円。安いコメを流通させる一番簡単な方法は、国際価格+1705円の輸入米を安くすることでしょう。
コメをたくさん食べたい方、料理の工夫ができる方をこちらに誘導すれば、少しは国民(都市住民)の不満も収まるはず。
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